ハーモニカ大学

|レッスンレポート

10月14日 総長のマンツーマンレッスン

単音をきれいに、自分で直せるように。耳で覚える5つのポイント

今回は、レディースの総長からのリクエストで、グループレッスンの合間に特別なマンツーマンレッスンを行いました。

見学は3名。その中には、新しく加わった7人目のメンバーもいらっしゃいました。ひとりの課題をじっくり見ながら、見学の皆さんにも自分の練習に持ち帰ってもらう、そんな時間です。

今回の中心は、単音でした。

ひとつの音をきれいに鳴らしたいのに、隣の音が混ざってしまう。この悩みを、呼吸から順番に確かめていきました。

総長は、僕の音と自分の音の違いを、すでに聴き分けられていました。「今のは混ざっている」「この音を出したい」という手がかりを共有できるので、僕も説明しやすいんです。

あとは、その違いをどうやって直していくか。約90分、実際に音を出しながら取り組みました。

練習の入口に「水報告業務」

今回、まずお願いしたのが「水報告業務」です。

練習前に水を用意しておく。そして、練習中に飲んだ水の量を、レディースのグループに報告してもらう。やることは、それだけです。

上手に吹けた日も、なかなか思うようにいかなかった日も、練習したことは残せます。「今日は練習して、水をこれだけ飲みました」と書き込めば、それがひとつの記録になります。

仲間の報告が並ぶと、「みんな練習しているんだな」と分かりますよね。それを見て、自分も練習しようとか、水を用意しておこうとか、思い出すきっかけにしてほしいんです。

飲む量を競うためのものではありません。練習と水分補給を、日々の小さな習慣にしていくための提案です。

シャッフルは「楽しい素振り」

最初に行ったのは、シャッフルのエクササイズです。これは、毎日やってほしい練習です。

早く曲を吹きたくなる気持ちは分かります。でも、曲を吹くときの呼吸も、音の出し方も、ここにつながっています。野球でいえば素振りですね。

しかもシャッフルなら、伴奏を聴きながら、リズムに乗ってできます。僕はこれを「楽しい素振り」として、練習の入口に置いてほしいと思っています。

吸い直す勢いで、音の頭を波打たせない

今回気になったのは、吸う音の出だしでした。強く吸おうとした勢いで、音の頭が波打ってしまっていたんです。

ここでは僕が、口元を手でふさいだときと、手を離したときの違いを実演しました。吸う準備を保っているところで手を離すと息が入り、ふさぐと止まる。もう一度手を離すと、また息が入る。その切り替わりを見てもらいました。

伝えたかったのは、毎回「ハッ、ハッ」と別々に吸い直すことと、息が入るタイミングを切り替えることの違いです。2回目を新たな吸い込みの勢いで始めず、1回目と同じように出せるかを確かめました。

この説明は、レッスン中に実演を見ながら確認したものです。文章だけで無理に再現しようとせず、まずは、出だしがそろったときの音をよく聴いてみてください。

一回だけうまくいったら、次はそれを続けられるか。16小節やっても、同じように音が出るか。ゆっくりのうちに、楽に繰り返せる感覚を覚えていきましょう。

吐く準備をして、最後は「ダーン」

シャッフルでは、終わり方も練習しました。

最後に長い和音を鳴らすなら、その前に息を吐いて準備しておく。そして、最後は「ダーン」と伸ばして、きちんと終わる。

終わりが来ることは、分かっているわけです。「もうすぐ終わるな」と思ったところから、最後の音に向けて準備できます。

レッスンで僕が合図をしているときだけでなく、ひとりで練習するときにも、この終わり方をやってほしいんです。始まりと終わりまで含めて、音楽の練習にしていきましょう。

シャッフルの途中では、吸う側に偏らないよう、吐くことにも意識を向けました。うまくいかないときには、少し課題を簡単にして呼吸を確かめ、そこから音や鼻の使い方を合わせていく。お腹の動きも、ゆっくりした速さのうちに確認しました。

この日のレッスンの要点を整理した板書・表面。
この日のレッスンの要点を整理した板書・表面。 板書を拡大する

今回の練習ポイント

ここからが、今回の中心です。「ふるさと」を使いながら、単音を整えることと、それを曲の中で使うことを練習しました。復習しやすいように、後半のグリッサンドまで含めて5つのポイントに整理して振り返ります。

1.単音を整える。違いに気づいたら、その音を直してみる

まずは、今どんな音が鳴っているかを聴きます。

単音を出そうとしているのに、隣の音が混ざっている。その違いに気づくことが、出発点です。総長は、ここができていました。

次は、気づいたあとにどうするか。

「ああ、違った」とすぐに吹くのをやめてしまうと、その場で音を変えていく練習ができません。今回は、音を出しながら位置や唇の形を少しずつ変えて、混ざっている音が減っていくのを聴いてもらいました。

今の音は近づいたかな。こちらへ動かしたら、どう変わったかな。耳で確かめながら、欲しい音に合わせていきます。

まずは弱めの音でも構いません。音の変化を聴きながら探してみる。そして、きれいな単音が出たら、しっかりした音でもその形を保てるかを確かめます。

今回も、弱めに吹くとまとまっていた音が、強くしたときに混ざる場面がありました。そこも、もう一度調整するところです。

構える位置も、実際の音を聴きながら確認しました。音を出したまま探し、合った感覚を覚えていく。ひとりでも、その確かめ方ができるようになってほしいと思います。

2.穴番号や楽譜を使わず、音をまねする

平松のレッスンでは、穴番号や楽譜を使わないように提案しています。

お手本を聴いて、声でまねする。その音を、今度はハーモニカでまねする。耳で覚えた音と、実際に楽器を動かす感覚を結びつけていきたいからです。

今回も、まず口でメロディーをまねしてから吹きました。音が上がるところ、戻るところ、同じ音が続くところを、耳で覚えていきます。

総長からは、番号を見たことで、どちらへ動けばよいかが分かった、という話もありました。入口で助けになったことは、そのとおりです。そこを第一段階としたら、次は見ないでやってみる段階へ進んでほしいと話しました。

答えを目で追うことに頼らず、自分の耳で音を探す。今回の単音練習でも、ハーモニカを見ないで取り組んでもらいました。

3.メトロノームや伴奏を流し、拍を聴いて自分で入る

ひとりで練習するときには、メトロノームを使ってください。短い区間の伴奏を流し続けて、一緒に練習する方法もあります。

ここでやってほしいのは、流れている拍を聴いて、自分で入ることです。

「さあ、行くぞ」と、音楽の流れの中へ入る。吹き終わったら、また拍を聴いて、次の入り口を待つ。この入り方そのものも練習になります。

音がひとつ出せたことに加えて、リズムの中でその音を使えるようにしたいんです。レッスンでも、途中で止まらず、音を探しながら続けてほしい場面がありました。

メトロノームを置いておくだけで終わらず、流れている拍を聴くところから始めてみてください。

4.4小節の特徴を覚え、間違えたところの手前からつなぐ

「ふるさと」では、4小節という短いまとまりを繰り返しました。

同じ音が続くところ、次の音へ動くところ。その4小節にはどんな特徴があるのかを覚えながら吹いていきます。

間違えたときには、「間違いを見つけられてラッキー」くらいに考えてほしいと話しました。直す場所を見つけたのですから、次の一回に生かせます。

毎回、曲の最初まで戻っていると、どこを直したかったのかを忘れてしまうことがあります。気づいた場所を覚えて、そこを含む短いまとまりで、もう一度やってみましょう。

もうひとつ大切なのが、間違えた音の直前です。

次の音を外した原因が、その前の音や動きにあることもあります。今回も、ひとつ前を確かめて、そこからつなげて繰り返す話をしました。

4小節を、よく知っている短いフレーズにしていく。間違いの場所も、音の動きも覚えながら練習すると、一回ずつの繰り返しに意味が出てきます。

5.グリッサンドで、横に動きながら音を見つける

最後のポイントが、グリッサンドです。

単音をその場で出そうとして行き詰まっているときには、横に動く練習もしてほしいと話しました。

音を鳴らしながらハーモニカを横へ動かし、音の変化を聴く。その中から、欲しい音を見つけて止める。動かす距離と、音の高さの変化を結びつけていきます。

「今の音より高い」「こちらへ動くと近づく」。そうやって耳で確かめられるようになると、穴を目で探すことに頼らずに動けるようになります。

グリッサンドの練習も、単音や曲の練習につながっています。横に動かしながら音を聴く感覚を、ぜひ育てていってください。

この日のレッスンの要点を整理した板書・裏面。
この日のレッスンの要点を整理した板書・裏面。 板書を拡大する

うまくいかなくなったら、楽しい素振りに戻る

レッスンの後半には、音が違うことに気づき、自分で動かして直す場面がありました。

ただ、今日できたことが、次にやったときにもすぐにできるとは限りません。そんなときは、最初のシャッフルを思い出してください。

シャッフルで呼吸を確かめてから、もう一度単音に取り組む。レッスンでも、できなくなったときに戻れる練習として、この話をしました。

基礎が曲につながっていることを、実際の音で確かめながら練習してほしいと思います。

なお、途中では12小節のブルースも、板書を使って少し紹介しました。この日は、その進行を覚えることが中心ではなく、単音と、そのための練習方法に時間を使いました。

基礎練習用のシャッフル音源については、テンポ80・100・120で、それぞれ16小節ずつ取り組めるものを用意する話をしました。音源を使うときにも、出だし、呼吸、最後の「ダーン」まで意識してみてください。

シャッフル練習音源は準備中です。公開できるようになったら、このページで案内します。

次の練習で、ここからやってみよう

水を用意して、まずはシャッフル。最後の和音まできちんと終わったら、単音をひとつ、よく聴いてみてください。

混ざっている音に気づいたら、少し動かして変化を聴く。お手本を声でまねして、ハーモニカでも探す。メトロノームの拍を聴いたら、「ふるさと」の4小節へ入ってみる。

一回うまくいったら、もう一度。同じところでつまずいたら、その少し手前から。グリッサンドで横に動く練習も、忘れずに。

そして練習したら、レディースのグループへ水報告もお願いします。

自分の音の違いに気づけることは、次に進むための大事な手がかりです。その耳を使って、自分で直せる場面を少しずつ増やしていきましょう。